あれから2週間。

…もっといる時間が少なくなった。





「あーおくん♪」

「…キモい、聖也」

「ストレートに言うんじゃねぇよ。」

「…なぁ沙耶…」

「結愛がさ…抱かせてくんねぇんだ…」





俺の言葉を遮ってなにを言うかと思ったら…。

なんなんだよ、コイツは。

頭の8割エロだろ。

後の2割はサッカーだな。




「おい」

「…沙耶が付き合うってよ」

「…あ゛?」

「あからさまに怒んなよ」

「…付き合う?」

「うそに決まってんだろ」



ゲラゲラ笑う聖也。

…こいつ時々超腹立つんだよな。

親友なのに殴りたくなる。




「沙耶今コクられてる」

「…また?懲りねぇ奴ら」

「好きだから仕方ねぇじゃん。気持ち伝えた方がいいし」

「あんなぁ…」

「蒼斗こそ彼女とはどうなんだよ?」

「…別に。」

「まだ別れてねぇの!?」

「悪いかよ」




正確に言えば、“別れさせてもらえない”。

あいつ虚しくねぇのかよ。

思われてもねぇのに。





「お前マジなのか?」

「…んなわけあるかよ。ありえねぇんだよ」

「だよなー、なら別れろ」

「嫌だっつって別れられねぇんだよ」

「しつけぇー女。…沙耶とか結愛の足下にも及ばねぇくせに」




聖也って時々毒舌だと思う。

マジで時々怖くなるんだけど。




「沙耶ちゃんっ!すきですっ!」




どこからか聞こえてきた声。

完璧今、“沙耶”って言った。

…んじゃ告白真っ只中?




「俺ら屋上に居んのに聞こえるってあいつ声でけぇな」

「…確かに」




俺たちは屋上。

沙耶はこの真下の、体育館裏にて告白され中。