「はぁ…っ…!」
ふざけんじゃねぇぞ、沙耶。
なに勝手にまたさよならしようとしてんの。
……一人で行くんじゃねぇよ。
「さ…や…!!」
「わ!!あ、蒼斗!」
「お前っ…」
「なによ〜?そーんなに会いたかったんだ?」
笑いながら聞いてくる沙耶。
でもその笑顔は昔とは違っていた。
瞳が、暗く死んでいるようだった。
……俺を誤魔化せるわけねーだろうが。
「…会いたかった」
「…え?」
「お前に会いたいから走ったんだろうが」
「っ……もう…」
「沙耶?」
「な、んで…いつもそう蒼斗は直球なの、かな…」
泣きながら言葉を発す沙耶。
何がお前を苦しめてるのかわからない。
今はお前の1番側にいれてないから。
幼なじみも…離れちゃなんの意味もない。
「沙耶より、直球じゃねーよ」
「……っつ」
「でも、沙耶は大人になった?」
「ふ、え…?」
「なんか押し殺してる。言いたいこと、我慢してる」
「……あ、おと…」
「素直がウリだろ、お前は」
「……ばかっ。」
「ふっ…お前より少し英語だけ出来ないだけ」
「…憎たらしいことしか言わないんだから」
少しだけ、笑った。
心から笑った。
でもすぐに戻る。
……沙耶はなんでも溜め込むからな。
鈍感なくせに意外と冴えてることあるし。
読めないのが、沙耶。