「じゃーな、蒼斗!病むなよ!」
「KY!!明日ねー蒼斗!」
「じゃーな、結愛」
「俺は!?親友の俺へのじゃーなは!?」
「…じゃーな、永遠に」
「……待て、怖すぎんだろ」
「じゃあね、蒼斗。聖也ちょっと今日は熱あるみたい」
「え、あ…あぁ」
熱?
ありそうには見えないが。
まぁ幼なじみしかわかんない変化でもあんのか。
いくら付き合いが長いからといっても結愛には勝てねぇよな。
……幼なじみほど怖くスゲーやつはいねぇと思う。
「聖也、早く帰って寝よ」
「誘ってんの?…仕方ねー…」
「1回くたばれば?」
「結愛ちゃーん!待ってー!置いてくなよ!」
「…ダッセーな、聖也」
さて俺も帰ろうか。
……清にも、明日ちゃんとしよう。
今日また俺は、失恋した。
俺って失恋する星のもとに産まれたのか?
それってひどくね?
「ただいまー」
「…お帰り」
「ん、蒼夏…お前ブスになってんぞ」
「なっ!うるさいっ!」
「キーキー言うなよ。蕾都に嫌われるぞ」
「蕾くんは優しくてお兄ちゃんみたいにバカじゃないもん」
「……バカ?」
「そうだよ!大バカだ!」
「母さん」
「ん?あら、お帰り!」
「蒼夏がバカバカ言うんだけど、どうなの?女として」
「あら?それは偏見よ」
「え」
「女の人だってバカくらい言うわ。だから蒼夏がアンタにバカって言ってもいいじゃない」
「母さん…」
そうだった。
母さんはそういう人だった。
可愛らしい母親だけど性格がおかしい。
天然?…いやなんていうんだろうか。
仮にも兄に暴言吐く事に対して“偏見”で終わる?
普通怒らねぇ?
父さんは母さんの見た目にやられたのか?
「ただいまー」
「…おう、お帰り」
「なぁ父さんは何で母さんと結婚したんだ?」
「帰ってきてそうそうすげー質問だな」
父さんの見た目もイケメンだ。
40歳だというのにカッコいい。
まぁ美男美女だよな。
「母さんを愛してたから」
「…まぁそうだろうけど」
「なんだよ?母さんのあの性格で助かることが多かったんだ。真っ直ぐでさ」
「…ふぅーん。相変わらず恋してんだな」
「当たり前だろう。」
「……はは」
苦笑いしかない。