「…やぁ…っ!」

「可愛い、沙耶」

「だ…めっ…」

「んー?聞こえねぇ」






蒼の手が服の中に入ってくる。

ひんやり冷たい手に、

ビクッと体が反応する。






「あおぉ…!んっ…ん…」

「……沙耶、食べたいんだけど」

「…んっ!」






耳を甘噛する蒼。

変な……気分になる。






「…耳弱いな、さーや?」

「蒼…だめ…っ!」

「…なぁ沙耶」

「……?」

「全部、俺のもんになってよ」

「……だめ」

「……いいの?沙耶の弱いとこ、触るよ?」

「ひゃ…!//」

「…別れなきゃいけないんだろ?俺たち」

「うん」

「…じゃあ…」

「だめ」

「…シよ?」

「シない」






そんな悲しいこと、しない。

わかって、蒼。







「沙耶…」

「わかって、蒼」

「……全てを俺で埋め尽くして、俺しか無理な体にして……別れたい」

「…そんなの、いや」

「……」

「蒼しか無理な体になったら結婚出来ないもん。」

「拓海ってやつとヤんのか?すんなりヤらすのかよ!」

「…好きな人なら、ね」

「なんで…!」

「永遠が、ある人とがいいの」







――蒼。

本当は蒼がいい。

蒼しか無理。

でもだめなんだよ。

別れが、決まっているから。