「え?沙耶姉、蒼コンじゃないの?」
「……うーん?見える?」
「うんっ!好き好きってオーラ出てるよ!」
「じゃあ…蒼コンかな?」
蒼コン……か。
好き好きオーラはあたししか出てないんじゃないかな?
もう、片想いに近いんじゃないかな。
「じゃあお兄ちゃんは沙耶コン?」
「……っもちろん」
「ほら、食べなきゃさめるよっ!」
「…姉ちゃんお代わり」
「はぁーい」
「自分で盛りなよ、蕾くん」
「はぁ?姉ちゃん近いんだし、いーじゃん」
蕾都は…なにか感じ取ったのかもしれない。
あたしたちの、違いに。
気持ちの、違いに。
蕾都のあたしを見る目が心配そうな目だから。
「蕾都〜」
「…Thank You」
「あ゛っ!蕾くんアメリカに染まってる!!」
「……ついでちまうんだよ、仕方ねぇだろ」
「…沙耶姉〜!!」
「蕾都、ここは日本なんだから!サンキューでいいの!間違ってもThank Youなんて言わないの!」
「…沙耶姉も染まってる〜!!」
「…蒼夏、仕方ねぇんだ。アメリカにいんだからそうなんだろ?」
「…何よ、お兄ちゃん。」
「お前が大阪に1ヶ月行ったら、なんやねんとかでちまうのと一緒」
「…行ったことないからまだわかんないし」
「蒼夏〜食べよ?今日はあのドラマ最終回だよ?」
「え!やばい!」
…蒼はバカだね。
あんな風にあたしたちを助けようとしたら、
蒼夏が怒るだけなのに。
そんな不器用なところも、大好き。
あたしは蒼コンだね。
「蒼夏〜一緒にコンビニ行かねぇ?」
「行くっ!」
「ま、ついでに夜の散歩でもしよっか」
「うんっ//」
赤くなる蒼夏が可愛かった。
恋をしたらあぁなる。
……あたしはなっていたかな?
「沙耶…うまかった」
「ありがとう、嬉しいよ」
台所で食器を洗ってると後ろから抱き締めてくる蒼。
それが嬉しくて。
でも、苦しくて。
「沙耶…」
「きゃっ…//蒼…//?」
「…沙耶も、甘い」
あたしの首筋に舌を這わせる蒼。
…ゾクッ
変な、感じがする。