なんでこうなったんだろう。
前の俺なら、
“沙耶に会いたい”としか思ってなかったのに。
いつからこんなに清を考えるようになったんだろう?
“清を救いたい”としか思えなくなった。
――どうかしてる、俺。
「…沙耶、ごめん」
「謝らないで?…ねぇ蒼。」
「ん……?」
「今日はやっぱり一緒に寝ていいかな?」
「……あぁ」
わかったんだ。
沙耶を“傷つけてる”って。
俺の中途半端が色んな人を傷つけ苦しめてる。
――ごめん、沙耶。
今は清を救いたいんだ。
清しか考えられないみたいだ。
「蕾都ー」
「……呼んだ?」
「…明日、帰るんだから整理しときなさいね」
「………わかった」
「蒼、ご飯作ってくるね?お腹、空いたでしょ?」
「あっ、あぁ」
その姿はどこか儚げで、
今にもどこかに行きそうで。
――怖かった。