――バンッッ…
「蒼にぃ」
「…お、おう!蕾都!」
「具合は」
い、威圧感半端ねぇ。
眉間にシワよってるし、第一めっちゃ勢いよくドア開けたし。
……怒ってる証拠でしょう。
「よっ、蕾都」
「……聖也さん」
「さっきまで熱あってさコイツ。俺の愛の看病で治ったんだわ」
「…んなわけねぇし」
聖也の罠にもはまらない。
はまる素振りすらない。
完璧、怒ってる。
「姉ちゃんに嘘ついてまで突き放す理由ってなに」
「突き放した訳じゃ…」
「突き放しただろ」
「…っ、俺は…」
「姉ちゃんがどんな気持ちで来たかもわかんねぇのかよ。」
「………?」
「姉ちゃん泣いてたんだよ。でも心配させたくなくて言ってくんねぇし…」
「「は…?」」
泣いてた…?
誰が?……沙耶が。
なんで?……知らない。
あぁ……バカだよな、俺。
「もう遅いよ」
「……何が?」
「姉ちゃん、闇に落ち始めてるから」
「…闇?」
「お前らが1ヶ月でどれだけ変わったのか、だよ」
「ま…さか…」
「聖也さんはもうわかってたみたいだけど、ね」
「…やべぇじゃん。…やっぱり…」
「今日は結愛さんの家に泊まるって。…まぁあの2人に変化があったらもうドボン?」
冷たい瞳。
……沙耶が危ない。
闇に…落ちてしまう?
でも蕾都お前が…っ…。
「俺は…拓海さんしか居ないと思ってる、今」
「拓海?」
「…アメリカの唯一姉ちゃんが頼れる人」
「……チッ」
「告白してきっと姉ちゃんは戸惑って泣いた。」
「…告白?」
「拓海さんはずっと姉ちゃんが好きだから」
「……っざけんな!!」
いい加減にしてくれ。
俺だって…大変だったんだ。
なのに沙耶は……告白されてた?
頼る人もいてハッピーな生活してたんじゃねぇかよ。