「……んでお前たちは帰ったんだ?」

「…おう…」

「なんで?別にそれでいーじゃん」

「聖也…でも…」

「なに?清ちゃんの話聞いて…清ちゃんを救いたい?」

「……出来れば」

「無理だろ、それ」







あっけらかんと言う聖也。

俺のベッドに座りながら言う聖也。

…1人で居たくなくて聖也を呼んだ。

清は…1人なのに。







「お前が沙耶といる限り、無理だろーが」

「……っわかってる。」

「じゃあなんなんだよ?変に情なんてかけんじゃねぇよ」

「………」

「そっちの方が辛いに決まってんだろ。なにその偽善者的なの。自己満してぇの?」

「……ちげぇーよ」

「だったらなんだよ?助けてやりてぇなら沙耶と別れりゃいいじゃん。どっちも取れる分けねぇだろ!」







聖也の言ってることは正しい。

……でも。

偽善者だって自己満だって言われたって…助けたいのは本当なんだ。







「…清ちゃんに…普通に今まで通り接してやるのがいいんじゃねぇの?」

「……」

「少なくとも…清ちゃんの肩の荷も心も楽になんじゃねぇ?」

「……あぁ」







――普通に。

これが今の俺に出来ること。

なぁ…沙耶。

……今は俺、お前に会いたくねぇや。