「…清。帰るか」

「なんで!?」

「要らないなら帰ろう?もう6時だ」

「6時なんてまだ平気だもん!!あたしだってもう高校生だよ!?」

「……清。」






低くでもどこか落ち着く声。

――あたしはいつまでも子供で。

だけど…あたしは…お兄ちゃんと離れたくない一心だった。







「じゃあ……あそこ行こ」

「…清の好きなブランドの店か?」

「うん」






きっとなにを言っても、なにをしても、

お兄ちゃんの決心は鈍らない。

……それなら。

お兄ちゃんからプレゼントしてもらおう。

あたしがずっと欲しかったアクセサリーを。

高いけどいいよね?

……これくらいのわがままで許してね、お兄ちゃん。






「ゼロ多くね!?」

「だって高いから買えなかったんだもん」

「…でも確かに可愛いし清に似合いそうだな」

「…買ってくれる?」

「当たり前だ」

「……っ」







買っちゃうんだ、お兄ちゃん。

もう帰りたい?

――あたしはもっと一緒に居たい。