「翔大くん…ごめん…」
「別に?久しぶりに沙耶ちゃんに触れられたしさ」
「//!翔大くん!」
翔大くんの腕の中で泣いてしまったあたし。
…翔大くんにも迷惑なのに。
「翔大くん…、ごめんね」
「だからいーって!沙耶ちゃんは笑ってろって」
「…うん」
「な?なんかあったら屋上来な?絶対居るから」
そう言って無邪気に笑う翔大くん。
…あたしはこの笑顔が大好きだった。
安心できる、笑顔だった。
それは今も変わらないけど。
――ガラッ…
「お、藍田!」
「せん…」
「座れ?事情なら三野から聞いた」
「翔大…くんから…?」
「具合悪かったんだって?早く言えよ?」
「…ふふっ、はい!」
…ありがとう、翔大くん。
いつまでもお世話になってちゃダメなのに。
「沙耶?具合悪かったの?」
「ううん」
「え?でも元カレが」
「…庇ってくれたんだよ」
「…庇う?」
…反応した、蒼。
「そうだよ。…さっ、勉強しなきゃね!」
蒼には言えない。
なんでかそう思った。