「きゃぁ〜!明日は日本!」
「うるせーよ、沙耶」
「拓海不機嫌すぎっ」
「沙耶が日本に行くからな」
「もう〜またそれ!」
そんなの理由になりませんっ!
いや〜楽しみっ!
蒼に会える……長かったなぁ。
「…沙耶ー好き…」
「うん、知ってるよ!」
「……はぁ」
あたしも好きだよ?
頼りになるし優しいし。
あたしの大事な友達だよ?
「ちげぇーよ」
「た〜く〜みー!」
「……バカ。抱きつくな」
ねぇ、怒んないで…。
あたし…拓海に嫌われたら…。
アメリカには…拓海しかいないもん。
頼れる人…いないもん。
「嫌いに…なっちゃやだから…!」
「……わがままだな、沙耶は」
「やだもんっ…拓海に嫌われたら…頼れる人いなくなるでしょぉ…」
「泣くなよ…。日本に行ったらもっと頼れる人がいるくせに」
「……蒼のこと?」
「…ったりまえ。」
「でもっ…拓海も大事な人だよ」
「…そんな綺麗事いらない」
「え…?」
「俺はただ…」
そこで言いよどむ拓海。
……拓海?
“綺麗事”この一言で片付けられた。
違うよ、拓海。
あたしね、拓海が考えてるような意味で言ったんじゃないよ。
…ちゃんと心から拓海は頼れて甘えられて。
素で居させてくれる拓海が本当に大事な人なんだよ。
だからね、“綺麗事”って言わないで。
重いんだから…あたしの思いは重いんだから!!