「沙耶ー?」

「なぁにお母さん」

「蕾都がね、お腹壊しちゃったみたいなの」

「えっ!?大丈夫なの?」

「んー、結構痛いみたいだから病院連れてくんだけど留守番してもらえる?」

「全然いいよ」

「お父さんは今日遅くなるみたいだから、拓海くん連れてきてもいいわよ」

「うん、拓海は大丈夫かな」






…こんなの蒼に知られたら。

そっちの方が、

1人で居るより怖いもん…。

あたしには、蒼しか居ないから。






――カチャ……




「蕾都ー大丈夫?」

「姉…ちゃん…」

「えっ大丈夫!?」






思った以上に悪そうな蕾都。

…汗が尋常じゃない…。





「ら、蕾都着替えたら?」

「蒼夏に…会いてぇ…」

「蕾都…」

「くそっ…会いてぇよ…」

「もうすぐ…会えるよ…」





あと3週間の我慢。

そしたら…1ヶ月に1回の日本に帰れる日が来るから。






「姉…ちゃん…」

「ん?」

「サンキュー…」

「…?え、あ、うん」





なにに“サンキュー”なのかわからないけど。

蕾都はあたしの可愛い弟。

…早く、よくなってほしい。






「お母さん!!おめかし要らないから!!」

「えっ!?でも外よ!?パパに会ったら…//」

「会わないから!!」

「はぁい…蕾都行きましょ!」







本当に…マイペースっていうか変わってるっていうか。

でも、可愛らしいお母さん。