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「どうかしたんですか、先輩。今日は随分荒れてましたね」

「……」


週2回のテニスサークル。

打ち上げ後の帰り道は、ずっと月島と一緒だ。



「サクヤって呼んでよハルカちゃん」

「……何いじけてるんですか」



くすくす笑う彼女と手を繋ぎながら、街灯の照らす薄暗い道を歩く。

正式に付き合うようになってから、彼女は一段と笑顔を見せるようになった。

それはオレといるときに限らず、サークル内でも同じで。