1年の島から視線を戻して溜息をつく。
周りは相変わらず1年女子及び麗しく変貌を遂げつつある月島の話題で盛り上がっていて、いい加減気が滅入ってくる。
そして聞きたくないけど聞かずにはいられない、このモヤモヤ感。
どうすればこの気分を解消できるのか、わかっているけれど、実行に移すことはできない。
「ツッキーなんであんな急に変わったんだろな」
「男でもできたんじゃね」
「あ、それはない。このあいだ直接訊いたら否定してたし」
「……」
そう。
オレたちが付き合っているということを、サークルの連中は誰も知らない。