あたりがだいぶ暗くなりボールが見えなくなる。もう四月だがまだ四月。すこし肌寒い。
「ゆう、帰るぞ。」
「やーだ、帰りたくない。」
「……今日はグラタンだぞ。」
「すぐ帰ります。」

俺は最近ゆうのバスケに付き合って一緒にご飯食べて寝る。そんな毎日を繰り返している。だけど退屈に思ったことは一度もない。毎日が楽しく思えるのだ。

ただ、あれほど熱中したバスケには未だ興味がわかない。いや、わざと興味をなくそうとしているのかもしれない。