チラリと見るが
もちろん 無視。

当たり前だろ?
誰が電話に出るものか。


クスっと正樹が楽しそうに笑った。

それがやけに癇に障る。

「・・・っち。」



大体、なんで
こんなにプライベートに干渉するんだ。昴様は。



「なぁ、市川。昴がお前とくっつけようとしている子って・・・
 もしかして、レイナさん?」

「ん?あぁ、そう。神原レイナ。
 神原家のお嬢様。」

「あぁ、もともと昴の婚約者候補だった・・・」

「そうそう。
 積極的にアプローチしたと思ったら
 俺と昴様が恋人同士だって勘違いしたあげく、
 俺に結婚申込みをした、その レイナお嬢様。」

しかも、会社を通して結婚の申し込みをしてきやがった。


周りから固めてくってあたり、

本当にしたたかな女。