相変わらず
客が入っていないこの小さな喫茶店。

コーヒーと紅茶とケーキしかないこの変な喫茶店。

同級生である正樹も結構 変わったやつだが。



俺は、とりあえずコーヒーをすすってから
ニヤリと笑う正樹に
ため息交じりに抗議した。



「言っとくけどな。
 悪いのは、昴様だぜ?」

「はは、市川。子供っぽいいいわけだな。
 仕事をほっぽり出したのは、お前だろ?」

ふふんと鼻で笑われて
言葉に詰まる。

図星ってやつだな。


「・・・まぁ、そうなんだが
 そうだよな。」

いい年して、
大人げなかったが、
もう、いい加減 上司に遊ばれるのにもイライラしてた。


一応、
俺がいない間を秘書課に仕事をまわしてきたから大丈夫だろう。



横目で着信を知らせる
バイブ音。


鬱陶しい。