ソレを見て、
昴はまた楽しそうに笑って


「ちいせぇな。
 細かいことは気にすんなよ、武。
 早く乗れよ!」


「・・・・はぁ。」

「あ。それとも助手席がいいのか?」

「・・・。後ろでお願いします。」

軽い調子で冗談を言う昴を
一瞥して、
後ろの車のドアに手をかけた。


まったく、この上司はーー
なんなんだいったい。


ため息交じりにつぶやいてから、
後部座席に座った。


座席が軽く沈んで
座り心地の良さを感じる。