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時間通り、神原家の門の前に車を横付けにし、
インターフォンを押した。
「階変わらず、立派な門構えだな。」
純和風のどっしりした門と、しっかりと手入れの行き届いた木々。
インターフォンは少しして返事が返ってくる。
『はい。』
・・おっと、
「…恐れ入ります。わたくし花京院コーポレーションで
常務秘書をしております市川と申します。
本日はーーー」
『待ってて!!今いくわっ』
あぁ、レイナ嬢本人だったみたいだ。
パタパタと
足音がして、
門の向こうから彼女がスカートをひらりとなびかせてやってきた。
「お・・お待たせしましたっ。!」
「・・・いえ、焦らせてしまって申し訳ございません。
時間通りでございます。」
「・・・あのっ。
武さん・・・今日は雰囲気が違うわ。」
「・・・?そうでしょうか?」
いつも通り、スーツだが?
まぁ、少しはビジネススーツよりはカジュアルだが。