とりあえず
ディナーは了解で、そうだなぁ・・・

返信のメールの手を途中で止めて
顔をあげて上司である昴に声をかける。


「・・・昴様、
 午後の会議の件ですが・・・」

「あぁ、いいぞ。
 市川の代わりに佐々木でもつけておいてくれ。」

何も言ってないのに・・・
お見通しってやつか。

では、俺がレイナを迎えに行くか。


「・・・わかりました。
 では、そのように手配いたします。」

「ついでに、花も買って行けよ?」

「・・・・は?」

「レイナ嬢の最近のブームは生け花だそうだ。
 あちらの本社のメインの大きな花も彼女が行けたらしいぞ。」


だからどうした?

一瞬 顔をしかめた武を、昴は楽しそうに笑った。

「ははは。少しは機嫌を取ってやれよ。」

「・・・期待を持たせては可哀そうでは?」




益々不機嫌になった武はさっさと午後の仕事分も手配し、
黙々と仕事をこなすのであった。