それにしても、
おしゃべりだな。

ワインと交互にユナを見るけど
しっかりと赤いルージュが塗られた口は締まりそうにもない。


「武って、こういうおしゃべりにも付き合ってくれるのね。」

「ん?
 そうだなぁ。
 
 それで、ユナが満足してくれるなら
 いくらでも付き合うよ?」

どうせ、
しばらく会えないんだし。


ユナの柔らかい体の曲線を思い出す。

あー、勿体ない。
あの体が一人のものになるのか。


ユナは、少し顔を赤らめてから
「ありがと。」
といって少し涙ぐんだ。



マリッジブルーって奴なのか?


ユナはいつもより情緒不安定に見えた。

でもな、
ここで優しくフォローするのは俺の役目じゃないしな。


と、思いつつ
頭をよしよしと撫でてやった。