そんな、彼女にしっかりと尻に敷かれた上司をちらりと見る。
昴は、んーーっと背伸びをして、
一瞬 目を閉じた。
「市川。」
「・・・はい。」
あ。
仕事モードに入ったな。
雰囲気がピンと一瞬張り詰めた。
「市川。これとこれはーーー・・・・・」
「・・・はい。すぐにーーー
確認します。」
テキパキと書類と、データに目を通しながら指示を与える。
この、お調子者の上司は
仕事に入ると、
すごいんだよな。
処理能力、判断能力、そして、カリスマ性。
秀でたものがあるとおもう。
だからこそ、
だからこそである。
さっさと、仕事をしてくればいいのに。
秘書、市川は ちっ と舌打ちをして、
業務を再開した。