「武兄さん、いったいどういうことなんだ?
 この人たちは・・・」

って、弟が言ったら始さんの「しぃっ」という
一言で 実弟が、ちいさく、「ひっ」って悲鳴を上げた。

いったいどうやって連れてきたんだ。

・・・怯えきってるじゃないか。



「・・・始さん。
 どういったつもりで 私の弟をここに
 朝っぱらから引っ張ってきたのかわかりかねますが
 どうぞ、お帰りください。

 始業の時間でございます。」

ちらりと
憐れむように弟を見る。

なんか、ごめんなーと思って。
ま、同情はするけど、
仕事だしな!

あっさりと実弟を見捨てて、
深々とお辞儀をして
ガチャリとドアを開ける。

左手をどうぞと外に促すように添えれば、

さっさと出て行きやがれ、この野郎ってことだ。



「ふふふ。--市川、武。
 僕は、君のそーゆーところが、面白いと思うぞ。」

「・・・恐れ入ります。」



「ちょ!!始兄さん!!!」