兄である 始さんに睨まれた 昴様は
困ったように、軽く頭を下げる。

・・・・正直、こういう上司を見るのは 初めてかもしれない。



「---、楽しく秘書をからかうのもいいが、
 ふぅ。
 お前、何様 だ?」

「すっ。すみません。兄さん。」


驚いた。

あの、弟に甘いだけの、不思議な変人だと思っていた
昴様の兄、始さんが
ここまで 愛する弟に言うなんて・・・


まぁ、ただただ 俺は居心地が悪くて、
ただ机のそばに立ちすくむだけなんだが。


気まずい。


始さんは呆れたように、
またため息をつきながら
くるり、と俺に向き直った。

思わず、身構える。