数か月前から
予定を抑えられていて、社長からも強く言われていたイベントである。

俺としたことが・・・


それなのに、電話先の上司である昴様は
はぁー、別にいいじゃーん
なんて、さっさとやる気が感じられない。




「・・・・。ちっ。
 昴様。あなたが ご出席なさらないと
 私、市川を始め、
 現在 秘書を務めている三崎。
 そして、秘書課の職員。すべてを『無能扱い』されるという事でよろしいでしょうか?」

そして、わざとらしく、ため息交じりに言ってやる。

 「はぁ・・・。そんなに・・・一人がいいのか??」

ぴりっと張り詰めた空気が相手に伝わったのか
これ見よがしにため息をついたのが良かったのか、
昴様はあわてて、告げる。


『すっ・・・すまないっ。
 すぐに、用意をーー』

「はい。すぐに、いってらっしゃいませ」




言葉を遮るように、通話を遮断する。


やれやれ
手がかかる。





二時間ほどたって、
無事に業務が滞りなく行われたと 三崎君から連絡を受けて
ほっと 一息をつくのだった。