大慌てで
俺は、通話を切って

また、大慌てで ダイヤルする。


もちろん、通話先は---



「・・・。」

三度目のコールにイライラが募る。

四度目・・・五度目・・・


『・・・はい。もしも…』

「遅いっ!!」

思わず、電話口で怒鳴りつけた。

『って、なんだよ。武ーー』

なんて、若干嬉しそうな声が聞こえるから、ちょっといらっとする。


「なんで籠ってるんですか?
 嫌がらせも甚だしい。」

『なんでって・・そりゃー一人でやったほうが…』

「そういう態度が、若い部下のやる気をそぐんです。
 今すぐ、立ち上がり、用意を!!」




『は??なにいって・・・』

「今日は、大事な あなたの兄の大事な個展のオープニングセレモニーでしょうが!!」