俺は、軽く正樹に
電話に出ることを会釈して、
通話のボタンを押した。
「・・はい?市川・・・・」
『市川さーーーんっ!!どうすればいいですか??』
「・・・・。お疲れ様です。
三崎・・・君??」
『そうです。すいません。市川さん!
三崎です。お疲れ様です。』
なんだが、ずいぶんテンパってるなー。
声にも、
言葉のチョイスも、なんだか 三崎らしくない。
「・・・えぇと、
どうされましたか?」
あえて、丁寧にゆっくりと聞いてみる。
『えっと、その、
常務が・・・ 引き込まれまして・・・
その、
秘書をシャットダウンして、一人でやると仰られて・・・』
あぁ、追い出されたのか。
それでもいいじゃないか、
一人でやるっていうなら、させりゃぁイイじゃねーか。
ただ、雑務とかも含めると、そうとう大変だろうがな。
「・・・そう、ですか。」
あわてる三崎をなだめるように、
出来るだけ優しく、伝える。
まぁ、ほっとけよ。
といいたいところをぐっとこらえる。
これ以上、俺からもあしらわれたら 三崎がへこむ。