正樹はそんな俺を呆れたように見る。
なんだよ。
そんな、ダメなことだったのか?
不服そうに睨み返してみる。
「はぁ・・・・。あのなぁ。あの、お前をからかうのを
生きがいとしている昴が、
あの、めんどくさい上司が
わざわざ 伝えなかったことなんだろ?」
確かに、
レイナ嬢が(不本意だが)俺の好物に影響を受けて
店を出したなら、
真っ先に 俺を おちょくってくるだろう。
「バラした俺のほうが悪いけどさ。
うん。それは、本当に悪いと思ってるけどさ。
昴が、お前に言わなかったってことは、
それだけ、お前に気を使ってんじゃないか?」
「へ?」
そうか?
別に、伝え忘れとかじゃないのか?
っていうか、そもそも教える義務もないしな。
「昴は、お前をからかうのを趣味としてるが、
本当に心に踏み込むことは、しないだろ?」
「・・・・・・・。」