私達何喧嘩してるんだろうね……

私何が欲しがってたんだろ……

春樹がいれば充分だよ……春樹のいない世界なんて何があるんだろう。

想像出来ないくらい怖いよ……

<なぁ、奈未>
「ん?」
<今どこにいると思う?>

今日休日で大会無いし

「……家とか?」
<ふふ、後ろ見てご覧?>
「え?後ろ?」

私はゆっくり後ろを見ると……

「……なんで?」

ニッコリと笑っている春樹がいた。

「奈未」

愛おしい声が私の耳を刺激する。

「バカ……」

勢いよく立ち上がり春樹の胸にうずくまる。

「ごめんな?すぐ来なくて」

そんなこと言われると

「もうどうでもいいよ」

私は春樹の首に手を回しそのままジャンプして手に力を入れてキスをする。

「小さすぎ」

春樹はそのまま私を抱きかかえて高く持ち上げる。

「春樹が大きいんだもん」
「どうだろうな」

すると春樹は私をゆっくりと降ろし私を見つめる。

「奈未」
「どうしたの?」

真剣な目つきに少し不安になる。

「大事な話があるんだ」
「うん」
「けど、ここじゃあれだから家に帰ろうか」

春樹はそっと私の頭を撫でる。

その仕草がかわいくて

「うん、帰ろ?」

私は春樹の背中に飛び乗ってみる。

「ったく甘えんなよ」
「だって春樹の背中好きだもん」
「何それ。じゃ、行くか」

春樹はそのまま私の鞄を取ってダッシュで羽切家を飛び出す。

あ、そういえば

「咲羅は?」
「これから梨乃の迎えだってよ」

そっか、だから梨乃いなかったしルルもゲージに入れてたのか……

やっぱり咲羅は私のお姉ちゃんだね。

咲羅本当にありがとう。

今まで咲羅に迷惑ばかり掛けたけど、私はちょっと素直になれない咲羅が大好きだよ。

「つか、奈未軽すぎ。ちょっと太れ」
「誰かさんのせいでやけ食いたくさんしましたー」
「お前そんなんじゃ倒れるぞ?」
「今ここにいまーす」
「じゃあ、明日にはいないかもな」
「何それ!!酷い!!私が死ねってことですか!?」
「まさか」
「もう春樹なんて嫌ーい!!」

私達はこんなバカみたいな冗談言ってバカみたいな喧嘩たくさんしてバカみたいに幸せになってればいいな。