「久しぶり…。」


あたしから声を掛けた。 

「何だよ、その腹…。」


あたしはわざと明るく答えた。 


「あたし、赤ちゃんいるんだぁ〜♪」


するとこうじは真剣に言った。 


「俺の子だよな…。」


「うん。そうだよ。」


あたしも真剣に答えた。 

こうじに向き合って欲しかった。 


「俺っ、ゴメン!!」


こうじはあたしの前から逃げて行った。 


『14才の母』みたいに、うまくいくわけなかった。

「パパにげちゃったね。 まっいっか。」


あたしは妊娠するまえより強くなっていた。 


一人で産んで育てると決めた以上、子供の父親なんかに甘えたくない。 


あたしはこの日、ある意味本当の覚悟をした。