不思議そうな顔で通り過ぎる公平くん
一応という感じで公平くんに
おはよう と声をかける夏梨
公平くんは朝だからか
いつもより低い声で
「ウッス」
とだけ言って教室に消えた
「…」
「…」
私たちの間に沈黙が流れた
でも先に口を開いたのは夏梨だった
「もう!何やってるん!」
「…ごめん、あたし無理だ」
「そんなことないよ!」
夏梨はちょっと怒っていた
それもそうだ
公平くんが来るまで約20分も
ここで立って待っていたのだ
萌斗くんだけが目的なら
教室で待っていればいい話
「ごめん…」
ほんと自分の小心さに
自分自身飽きれてしまった