「お茶入れてきましたけどー」


返事を聞く前に障子を開けて入ると、すごい形相で土方が睨んできた。


「返事を聞いてから開けろ。心臓に悪いだろうが」

「声はかけましたし、そんなにいきなりじゃなかったですけど。

聞かれたくない話でもしてたんですか?」


意味深に土方をみつめると、見つめると不自然に逸らされた目。


あからさまですなぁ。


「聞かれたくないならお茶ぐらい自分で入れればいいんですよ。自分で」

「うるせぇな。何のための小姓だよ」

「体のいい召使いじゃないんですから。

あんまりコキ使うとそのうち後悔しますからね」

「ハッ。するかアホ」


馬鹿にしたように笑われたので、鼻で笑い返す。


土方の前に湯呑みを力を込めて叩きおくと、飛び散ったお茶に土方が悲鳴を上げた。