撃沈。




夜になる。

「…………」

あたしは腕の痛みのあまり憔悴しきっていた。

今は何をしていても痛く、ジクジクと脳の中心、全身に響いてくる。

誰だよ我慢すれば何とかなる気がするとか言った奴。マジ殺したいんだけど。

「あぁ…… 」

痛みによろけながら、濡れた頭を手拭いで吹く。

ちょうど土方の部屋の前を通った時。

「おい宮本。茶をくれ。八つだ」

「…………」

オイ。空気読めよ。

長ーい一日が終わって、やっと寝る事が出来ると思ったのに。

何で寝る間際になって茶をくれ。とかいう。

今日一回も呼ばなかったのに。


……というのも、今日は朝から、近藤 ・ 土方が出かけていたのだ。

会津様に呼ばれたとか何とか。堅い紋付袴着て行ったっけ。


「宮本?」

「あーハイハイ。ただいま」

はいは一回にしろ!と叫ぶ声が聞こえたが無視した。