─────
────────・・・・・・・・・




遊び疲れた為三郎と勇之助を八木さん家に送り届けて、
あたし達が寝泊まりしている前川邸に帰ろうとした時。


「眞兄ちゃん!」

「為三郎?」

今別れたばかりなのに、また追いかけて来た為三郎に首を傾げる。


「どうした?」

「あんな、これ!」


目を見開いてあたしに差し出したのは、織られた半紙。

それは良く見ると、あたしが教えた “紙ヒコーキ” だった。


「眞兄ちゃんに教えてもろた “イカ” 、自分で折れるようになってん!
今日遊んでくれたから眞兄ちゃんにあげる!」

「本当?ありがとう、上手に折れたね」

頭を撫でると、為三郎は頬を赤らめて、嬉しそうに笑った。

その子供らしい反応に、自然と口元が綻ぶ。


「早速飛ばしてみようかな」

「いっぱい飛ぶかな!」

「飛ぶ飛ぶ、何たって兄ちゃん直伝だからね」


空に飛ばすと、ふわりと飛び上がる。

そのまま5mくらい飛んで地面に落ちた。