この4人がいつものメンバー。
略して「いつめん」と呼ばれている。
学校では結構有名でこの4人の事を良し悪し関係なく噂する人が多い。自慢ではないが学校の中ではこの4人はモテるし目立っていると自分で思っている。
そんな4人は平日5日間ほぼ毎日一緒で、たまに誰かしらが彼氏とデートだからといなくなるくらいだ。正直ここまで一緒だと結構しんどかったりするけど、そんな事は言えない性分なので諦めていつも同じ毎日とストレスの繰り返しの中過ごしている。
「絢は彼氏とどうなの~?」
急に薫が自分の話をやめて私に話しかけてきた。どうなのと言われても一昨日2ヶ月付き合っていた彼氏が浮気してることがわかったので、あんまり好きでもなかったから振ったばっかりだ。
「え?別れたよ~」
「えええええ!?」
「何それ!聞いてないんだけど!!」
…聞いてないのは当たり前だよ、言ってないですもの。言う気も無かったけど…
「あれ?言わなかったっけ!?ごめ~ん!いろいろ考えてたら話すの忘れちゃってたみたい」
「もう~」
「絢ちゃんと言ってよ~!」
「…大丈夫?」
言わない事を責めて内容はどうでもいい薫と由紀奈と違って、椿は本気で毎回心配してくれるから、このいつめんの中で唯一心を本当に許せてるのは椿だけだった。薫はいつも出来事を面白く聞くだけで話が面白ければその人の本心なんてどうでもいいタイプなのだろう。きっと由紀奈も薫に同調するだけだから本気で質問や心配なんてしてこない。
「じゃ~絢だけ彼氏いないのか~」
「そうなるね~やだやだ」
急にニコニコしたのは薫だった。
「何ニコニコしちゃって~」
冗談半分で私が聞くと薫はさらに満面の笑みになり、さっきまで散々彼氏のノロケから愚痴まで話していたのを崩すかのように話した。
「あのねぇ~薫ね?彼氏に飽きてきちゃって~…好きなんだけどちょっと冷めちゃったみたいな?」
こんな事を笑顔で言うから怖い。
「で、何でニコニコしてんの?」
すかさず椿は薫に質問をぶつけた。
薫は一瞬モジモジしたがまた笑顔に戻り話を始めた。この前ナンパされた男が医学部の大学生らしく、お金も持っていそうだったからアドレスを交換して今度合コンしようという話を大学生の男としていたらしい。
「それで?」
「絢も彼氏と別れたし~…」
これはまさかの展開になるかもしれない。私は高校デビューなだけに付き合った彼氏はいたけど実は初体験もまだで、男の人があまり得意ではない。今までは薫の友達とかだったからノリで何とか男が得意ではない事を隠してきたけど今回はそうもいかなくなるかもしれない。