「ねぇねぇっ!名前教えてっ!!」




おそらく引かれるであろうセリフを初対面の人に言う。



真梨は驚いたような顔をしている。





ま、それもそうだ。




「え、僕?!えと、えと…僕は……高瀬 直人…ですけど」





最初は戸惑っていたが、だんだんと冷静な顔になり、何だコイツ、と言いそうな顔をした。



「直人!!私はねぇ……何だっけ。あ!そうだ、私は美山 華乃!」




「だ、誰……」




「あーごめんごめん!私、真梨の親友なのっ」





というと、直人の顔がパアッと明るくなっていった。




「えっ!真梨ちゃんの?!うわぁ、真梨ちゃんの話通りカワイイね〜」





「へ」




真梨ちゃんの話通り?!




真梨、そんな事話してたの?!








真梨の方に振り向くと、顔を赤らめ「違うの!」を繰り返していた。





そして直人は私をまじまじと観察し始めた。





何なのコイツ…。



でも……。








カワイイっ!!!




めちゃくちゃカワイイ!!




かわいすぎるよぉぉおおぉ!





キーンコーンカーンコーン…。





「あ、チャイム!じゃあね、華乃ちゃん!」



「うん!また来るねぇ」




絶対また来るね!!



カワイイカワイイ直人を見に!






教室を出て私達の教室に戻る。



すると戻る途中で真梨が声をかけてきた。





「ね?直人カワイイでしょ?」





「すっっっごくカワイイ!!!」




「でしょ。これで恋できるかどうかは別として…」







ありがとう、真梨!!


恋はできないだろうけど、これはこれでいいよ!!





カワイイ遊び相手がまた1人増えたわっ!