彼の存在に気がついたのは、いつ頃だろう。 勤務先である大学の図書館の、数多の本で埋め尽くされた書架の隙間を。テスト勉強に飽きた学生たちがたむろする休憩室を。 自分でも気づかぬうちに、業務の合間に彼の姿を探すのが習慣になっていた。 暖かな木漏れ日が射し込む学生広場で、大勢の友人達に囲まれて笑い声を上げるその姿に、憧れさえ抱いていた。 自らが光輝き、その周囲までをも明るく照らす。 この人は、太陽の様な人だと思った。