やはりブーケを買って帰ろうと決め、その店に近づこうとした瞬間、気がついた。 これから食事にでも向かうのだろうか、騒がしい一団から少し外れた場所に、彼が立っていた。 どこか違う所に顔を向けていて、私には気がつかない。 懐かしさに目が眩みそうになる。 彼は……変わらない。少し痩せたような気もするけれど。 そんなことを思いながら、ふと彼の視線の先に目を向け、私は、ハッとした。