3月。 後期試験に行った。 体育館で二度目の説明を受け、 教室に向かう。 テスト用紙が配られ 名前を書く。 「よーい、始め」 この声と共に一斉に問題用紙をめくり コツコツ、という 字を書く音が教室に響きだした。 用紙をめくる音が何回も聞こえる。 みんな真剣にといている。 時間いっぱい、一生懸命。 そんな中で、私一人が目立っていた。 私はこのとき始めて 人生の選択権を破棄した。