「勇斗さん」
「赤ずきん。心からあなたを愛しています。結婚して下さい」
「はぃ…んっ」
はいって言うつもりだった。
だけど、言えなかった。
剣也が私の唇をふさいだから。
剣也の唇が私の唇に触れていたのは、ほんの3秒くらい。
だけど、私にとってはとても長く感じた。
剣也の唇が離れたとき、客席から大歓声がおこった。