「いや、ほんとだけど?ごめんなー」
「…ひどい」
わたしは剣也に聞こえない程度に言ってそのまま逃げた。
初めて人に告ったのに。
初めて好きになったのに。
やっと好きな人ができたわたしの心は簡単に傷ついた。


「みく、こはるちゃん…。振られちゃった」
「えっ!?なんで…」
「…冗談だったんだって。嘘だったんだって」
「なにそれ。まぢあり得ないんだけど。あたし、千葉くんのところ行ってくる」
そう言って、こはるちゃんは走っていってしまった。
私は、それを止めようとする気力すらなかった。