「僕らは星を見に山に登っただけなんです!でも……気付いたら京都に……」

「未来から来たとはどういう意味だね?」


御草は答えあぐねて黙り込む
なんと説明したらよいのかわからないのだ


七瀬は肩をすくめて近藤勇を見返した


「俺たちは今の時代から百五十年ほどたった時代の人間です」


妙な空気が流れたが、七瀬はかまうものかと続けた
下手な言い訳をすれば余計に面倒なことになるだろう


「だから、俺はあんた達の事もよく知っています」


土方の瞳に初めて楽しげな光が宿る


「ほぉ?七瀬とかいったな。面しれぇこというな」


とって食われそうな声音だ
ここで言葉を間違えれば本当に命取りになる


「新選組は……芹沢鴨の力で武士の位を得たと言っていい……けれど、芹沢鴨の横暴な行動に対して、あんた達は芹沢鴨暗殺を計画した」


近藤達の視線もギラリと厳しいものに変わる
沖田が腰の刀に静かに手を掛けた


七瀬は3人をなるべく刺激しないように御草を背後に庇うようにする