部屋はシンと静まり返る


近藤と沖田はポカンとし、土方も驚いたように目を見開いた


一拍置いて沖田が腹を抱えて笑いだす


「あははははは!何を言うかと思えば」


実に楽しそうに笑う沖田に土方は呆れたようにため息をついて刀を下ろした


「刀を向けられてそんな事が言えるなんざ、よほどの馬鹿か大物だな。だが、そんな話をはい、そうですかと信じるほど俺たちはおめでたくないんだ」


七瀬も頭を抱える
まさか御草がここまで直球に言うとは思わなかった


胡坐をかいて2人を見据えた土方に近藤は真摯な声で言った


「まぁ待て、歳」

「近藤さん」


がっしりとした体格の近藤はそこにいるだけで安定感のある巌のような男だ
厳しい面構えだが人好きのする笑みを浮かべる


「面白いじゃないか、話だけでも聞いてみよう」

「近藤さん!」


咎めるように言った土方にやはり鷹揚に笑った


「まぁまぁ、この子達は新選組を害する事はないと思う。下首人を斬ったのも身を守ろうとしてのことだろう」


御草は必死に頷く