「何故人間を襲うのですか?」

「…昔はね、可愛がってもらってたニャ」

少年はカタリナの問いかけに答える。

「クロって名前をつけられて、いっぱい遊んでもらってた…でも、面倒を見るのに飽きたのかな…餌をくれなくなって、甘えても構ってくれなくなって、いつしかぶたれたり、時にはエアガンで撃たれて虐められたりした…」

最期には弱り切って動けなくなり、面倒に思った飼い主は路上に放置していったという。

虐待の果てに捨てられた。

人間の一方的な都合以外の何物でもない。