死体が、発見されるという。

執拗に拷問のように身を切り裂かれ、四肢を千切られ、嬲られた末に惨殺された死体。

残忍な殺害方法も然る事ながら、まるで獣か何かに襲われたような傷痕が異常さを際立たせていた。

しかしこの街は山や森とは無縁の都会の真ん中に位置するし、動物園などから猛獣が逃げたという報告も上がっていない。

何より、動物がここまで執拗に獲物を傷つけるものなのか。

「そういえば」

カタリナは言う。

「猫は獲物の鼠を捕まえると、ある程度甚振って弱らせてから捕食するといいますね…ですが猫では人間を殺すまでの力はない…只の猫ならば…」

「……」

目の前の少年が、薄笑みを浮かべる。