しゃがみ、三毛猫の喉を擽るようにしてやる。

機嫌よく喉を鳴らす三毛猫。

カタリナもまた心穏やかにその姿を見つめる。

が。

「駄目だニャ…人間なんかに懐いちゃ」

暗闇の路地に、そんな声が響いた。

カタリナに甘えていた三毛猫が、危険を察知したかのように一目散に走り去っていく。

顔を上げるカタリナ。

…路地の奥。

黄色い瞳が不気味に輝いていた。