忘れたくない。


そう思ってる自分がいる。

そんな自分がずるくて……自分勝手で大嫌い。


「紫苑?」

ビクンッと肩が揺れる。


「あ…すみません、考え事…してて、あ、学校…着いちゃいましたね。


じゃあ、また…」


ぎくしゃくしながら歩いてら校舎へ入ろうとしたら…


腕を引っ張られた。


淡い…茶色い瞳をした先輩はあたしをじっと見つめる。