「いたっ?」 何事?! ともう一度横を向いたら、蒼ちゃんがゲンコツ片手にニヤッと笑っていた。 「まりあ…、おめで………。イヤ、先に帰ってるからな」 「うん…」 一瞬、おめでとうと言いそうになった言葉を止めた蒼ちゃんは、すぐに言葉を言い直す。 そうだね…、 おめでとうなんて言っちゃダメだよ…。 麗華さんの気持ちを思うと今は、喜ぶ気持ちになんて全然なれない。