エレーヌの思いは無駄ではなかった…、
そう思っていいかな?
そして私は小田切君に手を差し出した。
「…?」
一瞬、その手が何を意味しているのか分からないという顔をしていたがすぐに気がついてくれ、そして私の手にエレーヌの魂の入ったナイフを渡してくれる。
「ありがとう、小田切君…。エレーヌは幸せだったよ」
「いえ…、俺は何もして『何もしていないとは言うな。…そんな言葉、エレーヌは望んではいないはずだ』…すみません」
一礼した小田切君はその後、まりあのもとへと急いだ。
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