「敦さんのところに松平君、行ってるんじゃないかと思うんだけど…」
全く考えていなかった事を美月から言われ、私の目が大きく見開く。
「へっ?なんで?」
「この前、敦さんからのメールを見た松平君、言ってたじゃない。『俺がなんとかする』って…」
「言ったけど…。でもまさか敦さんのところには、いくらなんでも行かないでしょ?」
それから美月はなにも言わずに、教室へと向かった。
その横を歩きながらチラリと美月を見る。
美月は考え事をしているようで、話しかけづらい感じだ。
そのまま私も口を開かないまま、自分の教室へ入った。